日本海を大きな湖として見てみる

2003年から2006年まで富士フィルムの駐在員として蘇州で暮らした深野彰さんの本を読んでいる。

日本海を大きな湖として見てみる。
なるほど。
大陸から日本へ、日本から大陸へ渡った鑑真パイセンや小野妹子パイセンはどのような覚悟だったのかと思案していたが、案外こんなノリだったのかもしれない。

『日本人は誰でも「日本は島国だ」と思っている。
そして、島国であることが文化の独自性を醸しだしてきたと教えられた。
しかし、この地図を見ると、日本は太平洋という大海に浮かぶ列島ではなく、

「大陸からはみ出した日本海という大きな湖を囲む環状の陸地」と見えるから不思議だ。

先入観による知識ほど固定的なものはなく、

想像力が発展しないものだ。
地図を逆さまにしただけで世界が違って見える。
中国や朝鮮の人々は、中国沿海州や朝鮮半島から「湖」を自由に渡って容易に日本へ行ったことだろう。
季節さえ選べば、日本から考えるほど困難な冒険でも何でもなかったのではないだろうか。」