悟りを求めるという志しを分かちあった仲間たちと山に入った。
肉体を酷使する苦行により、そこに至れるはずだとひたすらに願い、私と仲間たち六人は苦楽を共にし、身体を少しずつ擦り減らしていった。
年が六つ回ったある日、意識を失いかけながら鳥と光と水に誘わた。
身体はガリガリに極限まで痩せ細っていた。
樹は私をみている。
戸惑う仲間たちを促し、私は山を降りることを決断した。
たどり着いた村。
スジャータという娘に乳粥を勧められ食べた。
干からびた身体に微かに血液が通り、そして次第に力強く脈打つのを感じた。
乾いていたことすら忘れていた。
仲間たちも少しずつ身体に正気を取り戻す。
仲間たちは修行の途中で女人から施しを受けた私を激しく責め去っていった。
彼らが生きているのが嬉しかった。
これまでの感謝とこれからの無事を祈った。
友も、悟りへの意思も、全てが無くなった。
すべてを捨てたつもりでいたが、嗚咽する己を観て積み上げたものへの執着と尊さがあったのだと知った。
己の身体だけがあった。
あてもなく歩き、六つの場所で七日間ただ座った。
山で過ごした六年と同じ長さと短さだった。
最後に菩提樹が私を呼び、そこでも七日間ただ座った。
樹が私になり、地中深くに根を張り、どこまでも天上へ伸びた。
次の瞬間なにもかも無くなり、
そこに全てがあった。
彼らはどこにでもいたし、
私はどこにもあった。
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Earth singer: Kackey@dabigtree
Kackey@dabigtree