童謡でおなじみグリム兄弟と七教授追放事件

1830年、パリ七月革命。

1833年9月、不十分ながら民主的な政治が行われるようになるが、1837年、アウグスト王が位につくと、貴族党と結んで独裁政治をめざし、憲法を一方的に破棄した。

それに対し、ゲッティンゲン大学の七教授が大学当局に抗議書を提出。

市民を力づけるも、その声をひろがるのを恐れた国王は革命的反逆をあおるものとして、強制的処置に出た。

首謀者の一人ヤーコプ・グリム(兄)を免職、3日以内に国外退去を命じた。

ひとの拍手を求めるためでなく、自分たちの志操が誤りなく伝えられるようにと、ヤーコプは弁明書の中でこのように述べている。

“国から課せらせた義務を守ろうとして、ためらわず良心の声に従ったゆえに、侮辱を受けるにいたった。

大学の基調は学ぶものと教えるものの自由にあり、教授は学生にその範を示さなければならない。

王の面前でも真実を直言するのが教授の任務である。”

ゲッティンゲンにいる弟ヴィルヘルムが迫害を受けるのを恐れ、ヤーコブ単独の名で弁明書を発表。

国を追放、ともすれば殺されるかもしれない。

覚悟をもっての行動。

ヤーコプパイセンも松蔭パイセンと同じく、大変良く狂っている。

参考文献「グリム兄弟とアンデルセン」高橋健二

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