長男がサウスポーだと判明した時、
「この先苦労するかもしれないから
今のうちに右利きに直した方がいいかもしれない。」
そんな意見が出た。
「マイノリティな性質は、
今後彼の武器になり得ると思うよ。」
そんな意見を出してみた。
どちらも彼を思う心から出た意見。
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ちなみに僕は右利きだが、中学の時に左手も使えるように訓練した。
バスケをしていたから。
主に右腕しか使えないのと、
両の手がほぼ均等に使えるのとでは、
バスケは立体的なスポーツやから、戦術の幅に大きな差が生まれる。
足し算じゃなくて掛け算的な差だ。
前・後ろ × 上・下 × 左・右
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またこうも考えた。
生物個体の死に方として、以下の二つの死に方に分類することができる。
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①瞬間的に死ぬ
②少しずつ身体の一部が各機能を失って死にいたる
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①に関しては仕方ない。
平和な日本ではおそらく②の死に方になる可能性の方が高い。
であれば、
もしかしたら個体としての寿命をまっとうする前に、
右手の機能を失う可能性は決して少なくない。
であれば、
左手だけでも生きていけるようにしておけば、
たとえ右手を失っても楽しく生きる希望が持てる。
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一度腑に落ちてしまったら、どこまでもやってしまう性分。
中学2年生、
ほとんど利き腕を封印した生活を数ヶ月を過ごした。
自分に課した自分ルール。
全然上手くいかない。
食べるのにも、字を書くにも、時間がかかる。
無理してるからいろんな神経や言語脳にも支障が出てきた。
やがて腕や指が痙攣するようになった。
やがて吃音(どもり)が出てきた。
発音に支障が出たおかげでシンガーソングライターになる道が拓けた訳だが、それはまた別の機会に話そう。
人工の左利きライフで感じたことは、
なるほど、この世は右利き=マジョリティを中心に回っている。
右利き用のハサミ、
右利き用のギター、
右利き用の改札、
右利き用にレイアウトされた教室。
例えば、線は右から左へ書く。
右利きは内から外へ引く感覚。
左利きは外から内へ引く感覚。
同じ世界にいて、違うレイヤーにいる。
マイノリティだから知覚できることがあった。
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今でもお箸は主に左手を使っている。
日々の生活の中で、右手と左手を入れ替えてみる。
おんなじ習慣の中で、新鮮な感覚を体感する。
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さて、我が子がマジョリティである左利きであることをどう活かすかは、
彼の自由。
でも間違いなく彼を形成する特性の一つだ。
Kackey@dabigtree