会場は”16万も持ってない”で有名なお茶の水にあるソラシティ カンファレンスセンター。
「5分の空き時間でもストレスを感じないeラーニング」
プレゼンテーター:
大塚製薬(株) 医薬営業本部・学術部
教育企画室・係長 久米 匡氏
背景
ことのはじまり
大塚製薬にはMRが千数百名在籍。
支店:16/出張所:50。
MR = 医薬情報担当
1人が多品目を扱い、かつ専門家である医師を相手に商談するので高い専門知識が必要。
●社内教育として全国から集合研修、衛星放送研修、紙媒体を使っていた。
●MRが現場から離れると売り上げに影響する
(MR:自分の給料に直結! できるだけ会社にいる時間を減らし外へ出たい。。。)
よし、eラーニングシステム導入しよう!
とはいうものの実は、LMSは10年以上前から導入してたりする、、、
数度システムを変更するも受講率が伸びず定着せず、、、
LMSの残骸が10個くらいある、、、
再使用しようとするも使えない、、、
そこで久米氏が新しいLMSの導入と運用を任される。
LMS = (学習管理システム Learning Management System)
さぁ、みんな、やっ、て、、み、、、よ、、、、ぅ、、、
MOOCs、学校、資格は前向きなeラーニングなのに対して企業におけるeラーニングはかなりネガティブ
MOOCs = Massive Open Online Courses 大規模公開オンライン講座
大学レベルの講義を誰でも受講できるオンラインコース
「仕事あって更に教育を受けないといけない。外に出て営業したい!」
「じゃあ10分の空き時間があればeラーニング使う?」
「10分あればメールや事務処理に使うよ〜。」
「じゃあじゃあ5分でどう?」
「5分なら使うかな〜。やっちゃうかな〜。」
「5分の空き時間でもストレスを感じないeラーニング」誕生!
管理者目線 -> ユーザー目線による独自の学習スタイル
MRは一日中顧客先である病院や薬局を飛び回る生活をしており、会社にいることが少ない。
行動状況、モチベーションを徹底調査して、
▶いかにストレスなくeラーニングを受講してもらうか
▶受講すれば自分の得になることに気付いてもらうこと
が最大のポイントであることに気付いた。
ユーザー目線であること
「ユーザー目線でやろうよ」
えてして実際全然ユーザー目線じゃないものができる。
どちらかというと管理者目線なものができる。
ユーザー目線を徹底的に。
ユーザー:最終的に自分が評価されたい
「このLMS受けたら100%給料上げますよ。」
これが言えたらみんな受けるだろうけど、、、
これに近いところまで持って行きたい。
目標とするところ
●自己学習文化の創生
上司や教育担当部門だけに頼るのではなく、常にMRが自分で学習する習慣、文化の手助けとなるシステム。
●ストレスの少ない受講
必要な時に、必要な情報が即座に得られ、強制されることなく短い時間で受講できる仕組み造り。
●効率的な知識習得
コンテンツのカテゴライズを考え、それに即した内容作成、受講方法を提供し、無駄なアクションを排除する。
●ユーザーベネフィット
受講し、知識を吸収したことで、ユーザーの利益となる内容、仕組みを提供する。
実現のための具体策
●カスタマイズ可能なシステムを導入
大きな会社が提供するLMSはカスタマイズができないものが多い。
カスタマイズする必要がないものを売った方が利益になるから。
でもそのまま導入しても絶対運営できないな。。。
カスタマイズできるとこにお願い!
●教材となる動画は可能な限り一単元5分以内に
30分のものでも5分ずつに分ければ外出先でもできる。
●起動速度が速く、すぐに受講開始・再開が可能なタブレットを採用。
IPadにアプリを追加しよう、、、
iPad1:メモリ256MB メモリが貧弱ーーー!!!
すぐ落ちる。-> ユーザーストレス
使えない、、、
iPad2:10回に1回落ちる
うん、まだ使えない、、、
iPad3:メモリ1G
やっと採用!
●どこでも受講可能なオフラインの仕組みを導入
支社は全国に展開しているので全国で使えるものにしたい。
-> 地域によって環境さまざま
->3GでYoutubeは観ないな
->ストレスのかかるものは極力削ろう
->なのでオフラインで使えるようにしよう!
すぐに業務で使えるものは前に持ってきて、更に深めたい人に向けての学術的なコンテンツはアーカイブへ。
誕生「Oh-Campus!」
しつこいけどとにかくストレスフリーなものを!
イントラネットからユーザーID・パスワード不要で入れる。
イントラネット:企業内ネットワーク
予めダウンロードした教材をタブレットでオフライン学習することができる「Oh-Campus!」専用アプリ。(回線スピードや込み具合による遅延、受講不可を回避)
オフライン環境下での受講者の学習履歴データについては、社内無線LANを経由して管理サーバへ同期。
受講促進・受講意欲を高めるために
●学習促進
リーダーが受講促進(アドバイス)
リーダー社員のeラーニング画面でチームメンバーの学習進捗がわかり、各人に必要なコンテンツのアドバイスを行う。
●受講意識を高める
受講するとポイント付与(競争意識、プライド)
ポイントのランキングをトップ画面に公開、全員の順位や名前、ポイントがひと目でわかる。
●警告・罰則は設けない
・罰則もうけちゃだめ
・あくまで本人の意思
・フリーな感じで
●コンテンツ公開間隔を固定
足が遠のかないように定期的に更新
●非定期の重要コンテンツについては支店教育担当にメール通知
●新コンテンツをトップ画面、旧コンテンツをアーカイブに自動配信(トップ画面の期間限定)
実績(受講曜日時間帯比率)
土日、つまり家でも受けている。
月曜の前の日、日曜日の22時〜24時までよく勉強している。
予想外のデータ。結構受けてくれている。
評価に対してはアンケートは取っておらず、受講数で見ている。
目標達成
久米さん:
「それなりに成功してるんじゃないかな。
6〜7割くらいは成功している。」
運用体制
システム管理者:1名
コンテンツ制作者:20〜30名
コンテンツ制作者
製品ごとのスペシャリスト。自らが製品の最新情報などを説明し、それを撮影した動画を教材として配信。
今後の展望
●個人売り上げデータ等の関連性検証
すぐにこれ受けたから売り上げ上がったかどうか検証は難しいけど、長いスパンでみるとデータ出せるんじゃないか。
●さらに優良なコンテンツ、UIの提供
iPadかなりガタがきている。
世の中はもうiPadの時代じゃない。
けどあと数年はiPadでいきたいところ。
久米さんの所感:
企業におけるLMSは入り口が非常に困難。
まだまだ授業を最後まで受講する人が少ない。途中の単元で離脱する。
なんとか入ってくれればベネフィットをどうにか保証してやると継続してくれるのかな。
受けてみて
1単元を5分に区切ったことによって、より入り口が広くなったようです。
確かに自分がよく使っていたeラーニングのドットインストールもこのタイム感。
自社用にカスタマイズできるように持っていったのも大きい。
LMSを提供する側はしっかり利益を出すために導入も運営もできるだけ自動化で対応したいし、使う側は自分の村に馴染むようなものにしたい。
”使えるLMS”を。
この原点に何回も帰りながら、今まで導入や運営で苦労した点・失敗した点・現在抱えている課題を提供者、管理者、ユーザーが可能な限りシェアすることが大切かなとすごい一般的な着地をしてこの章を終わります。
久米 匡様、素敵な発表をありがとうございました。
日本のeラーニング全体のレベルが更に向上して、”使えるeラーニング”がたくさん生まれますように。
PS:16万じゃなくて19万でしたね。どっちでもいいけど。
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