『禅と脳』中山正和

お釈迦さんもイエスさんも達磨大師さんも、自ら何かを書き遺さなかった。

我々はコトバを持たぬモノとして生まれ、そしてまたコトバを持たぬモノとして還る。

コトバを持つと”時間”という概念が生まる。

“未来”が生まれると人間は悩み苦しむ。

コトバは実体のないの概念を捉える。
それが時に誤認を生み、膨れ上がる。
そのモンスターは実社会に影響を与えるようになる。

人間のみがコトバを持ち、それ故に仏性から遠ざかった。

そして仏性をコトバで表現するチャンスも我々は与えられた。

コトバをもって表現することは不可能だと知っていながらも、それでも僕らは表現したい。

 

行きつけの古本屋で直感的に買った本。

とても分かりやすく、ユーモアを交え、ぼくらの視線まで腰を下ろして科学者の中山正和さんが書いてくれている。

 


『禅と脳』中山正和

 

座禅

“「私はここに正法を伝えるが、300年もするとこれは象法(形骸)になり、さらに300年も経つと末法(ただのお金儲け)と化してしまうであろう。」by 釈迦”

“考えるだけ考えて、それでもまだ考えていると「あるとき」突然重大なヒントに「気付き」ます。

この「あるとき」というのは、どんなときでも、例外なしに、「その問題を考えていなかったとき」なのです。”

“計算(脳の言語系)のはたらきを止めてイメージ記憶(動物系の判断)の直感を活かす。”


中山正和

1913年(大正2年)滋賀県に生まれる。 
北海道大学理学部物理学科卒。(以下、年不明) 
日本電信電話公社電気通信研究所調査役。 
クロメート処理法、AI合金、AP合金、シルバーボンド・ダイオードの発明などにより、電電公社総裁賞、AFCEA賞、マーケティング総合会議功労賞などを受賞。 

日本楽器製造(株)企画室次長。 
(株)創造工学技術研究所代表取締役 発明会社ITC会長。 

金沢工業大学 教授
東京芸術大学 講師 を勤める。